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計量計測データバンク ニュースの窓-154-
News material content collection of metrology databank №154
計量計測データバンク ニュースの窓-154-
国土地理院 令和6年能登半島地震 現地緊急測量(2024年1月20日~21日)の結果

計量計測データバンク ニュースの窓-154-

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計量計測データバンク ニュースの窓-154-国土地理院 令和6年能登半島地震 現地緊急測量(2024年1月20日~21日)の結果

能登大地震-その6-小さな記録 能登半島 港湾部の隆起現象(2)(計量計測データバンク)
(本文)(リード)
 能登半島は北朝鮮に向かって移動している。中国、ロシア、北朝鮮と韓国のある朝鮮半島に少しずつ近づいている。日本海の下にはユーラシアプレートがあり、能登半島の下に潜り込んでいる。地球表面の陸地が動く過程でアフリカ大陸がユーラシア大陸から分離したことがその形から類推され、これが確かめられたことがプレートテクニクス理論構成の始まりでだ。大陸移動という時間の規模では能登半島を含む日本列島は朝鮮半島に向かって動いている。1000年単位でユーラシアプレートと能登半島の地盤がずれ動く。2024年1月1日に境界の一部がズルと滑って能登半島西部では4mほど隆起し、西に1.4m動いた。この地震の規模はマグニチュード7.6であり、輪島市ならびに志賀町の一部では震度7.0の地震が発生した。これが令和6年能登半島地震である。この地域では2007年(平成19年)3月25日9時41分、能登半島沖の深さ11㎞でマグニチュード6.9の地震があり、石川県七尾市、輪島市、穴水町の震度は6強であった。またこの2年から3年の間に能登半島では震度5を超える地震が何度も起きている。

(見出し)
国土地理院が現地緊急測量実施 輪島市の三等三角点「五十洲」で4.10m 隆起し西向きに 1.48mの水平移動を確認

 2024年2月20日から21日にかけての国土地理院による三等三角点「五十洲」(輪島市門前町五十洲付近)の現地緊急測量によって4.10m 隆起し、また西向きに 1.48mの水平移動が
確認された。SAR(だいち2号)約 4.3m隆起、西向きに約 1.5 m移動という観測デ-タの解析結果と整合的であった。SARは人工衛星や航空機などに搭載したアンテナから電波を地表に向けて照射し、地表からの反射波を捉えることで、地表の形状や性質についての画像情報を取得する手法。 同じ調査による公共基準点(輪島市門前町和田付近)の現地緊急測量では 2.77m 隆起、ほぼ西向きに1.23m 移動していた。ここでもSAR(だいち2号)約 2.7m隆起、西向きに約 1.1 m 移動という観測デ-タの解析結果と整合的であった。計量計測データバンク編集部は上記の国土地理院調査隊三名と遭遇している。あちらは緊急測量の任務、こちらは隆起現場と津波災害ほかの地震調査として行動していた。

プレートテクニクス図1(日本列島の成り立ち - KG-NET 関西地盤情報ネットワークデータベースから



プレートテクニクス図1日本列島の成り立ち - KG-NET 関西地盤情報ネットワークデータベースから
4枚のプレートがぶつかりあい日本列島にはさまざまな力がはたらいている。この力のはたらきによって地震が起こり、火山ができる。




変動ベクトル図





写真は三角点上でのGNSS観測。現地緊急測量(1月20日~1月21日)を実施のときのもよう(国土地理院ホームページから)。

(みだし)
志賀町の北陸電力志賀発電所の混乱と想定地を超える揺れ(重力加速度)

 令和6年能登半島地震のあった能登半島には北陸電力の志賀原子力発電所1号機と2号機がある。計量計測データバンク編集部は2024年1月10日ごろに同発電所広報のホームページで1号機において450ガルほどの揺れがあったことをみていたのに、その後にこの記載が削除された。

 再生可能エネルギーに関する技術を中心に、最新の技術トレンドを発信。具体的には、次世代電池・電気自動車・再生可能エネルギーを中心に取り扱っている「ERESTAGE LAB」は「復旧は半年以上先に」(2024年1月10日15:41、22:07更新)のタイトルのユーチューブ動画で志賀原子力発電所の揺れを重力加速度で表記したガル (Gal)の値を次のように報じている。
志賀原発1号機 実測957ガル 想定918ガル
志賀原発2号機 実測871ガル 想定843ガル

(みだし)
2024年の能登半島地震で石川県志賀町は2,828ガルを記録

 これまでの地震による世界最大の加速度は、岩手・宮城内陸地震(2008年6月14日)の際に岩手県一関市厳美町祭畤(まつるべ)で観測した4,022ガルである。この記録は「地震時に記録された最大加速度」(largest peak ground acceleration measured in an earthquake )としてギネス世界記録に認定された。1995年の阪神・淡路大震災では891ガルを、2011年の東日本大震災で震度7の宮城県栗原市では2,934ガルを、2016年の熊本地震で震度7を観測した熊本県益城町では1,580ガルを、2024年の能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町では2,828ガルを、それぞれ記録した。

 計量法はその第5条第2項において特殊の計量に用いる計量単位として、「重力加速度又は地震に係る振動加速度の計量」に限定してガル(Gal)および1000分の1のミリガル(mGal)の使用を認めており、キロガルやマイクロガルの使用は計量法上いかなる場合にも認められない。

 再生可能エネルギーに関する技術を中心に、最新の技術トレンドを発信。具体的には、次世代電池・電気自動車・再生可能エネルギーを中心に取り扱っている「ERESTAGE LAB」は「復旧は半年以上先に」(2024年1月10日15:41、22:07更新)のタイトルのユーチューブ動画で志賀原子力発電所の揺れを重力加速度で表記したガル (Gal)の値を次のように報じている。
志賀原発1号機 実測957ガル 想定918ガル
志賀原発2号機 実測871ガル 想定843ガル

(みだし)
原子炉は千分の1の傾きが生じると制御不能になると森重晴雄氏(原子核工学研究者)

地震後に確認された原発敷地内の段差(北陸電力が発表した写真)


 北陸電力は2号機の変圧器が壊れたことで漏れ出た油の量についても、北陸電力は当初、およそ3,500リットルと発表し、その後5倍以上の1万9,800リットルと訂正。津波につは1月2日午前11時の記者会見で「水位を監視していたものの、有意な変化は確認されなかった」と発表していたの夜9時には敷地内に設置していた水位計で3メートルの水位上昇が確認されていたと訂正した。地震があり津波があり、これらの状況の確認がおぼつかないのが志賀原子力発電所の状況である。原子炉は千分の1の傾きが生じると制御不能になると述べるのは森重晴雄氏(原子核工学研究者)である(西谷文和 路上のラジオ第165回「能登半島地震で、志賀原発はどうなった ふたりの専門家に聞く」から)。

(みだし)
「日本列島で原子力発電所を運転していることはロシアンルーレットをしているようなものだ」(京大深畑幸俊准教授)

 原子力発電所をプレートレクにクスにおいて地盤変動が激しく、これに起因する脆弱な地盤の上に、また海岸線に、そして九州地域にみられる火山帯のなかに建設している状況がもたらす危険の度合いはとびぬけて高い。原子力発電所を日本で100年間運転することでもたらされる危険度は交通事故への遭遇度を遥かに超えている。原子力発電所の老朽化を考慮するとなおさらだ。広瀬隆氏は「原子炉時限爆弾」(2010年08月発行の本)と言った。京都大学防災研究所地震予知研究センター准教授の深畑幸俊氏は「日本列島とプレートテクトニクス」(YouTube 2023/11/01)において、日本列島で原子力発電所を運転していることはロシアンルーレットをしているようなものだ、と述べている。6個の弾倉に入れた一発の弾は6人のうちの誰かに発射される。最後の一人にそれが巡るのか最初の一人になるのかは決まっていないが、6人のうちの誰かは必ず死ぬ。このように日本の原子力発電所運営の危険性を語るのだ。

(みだし)
原発に今まで大丈夫だったから今後も大丈夫だという正常性バイアスを働かせてはならない

 原子力発電の運転において危険性は事実上無視されつづけている。志賀原子力発電所における原子炉建屋の地下の断層に対して活断層と判断するのが合理的であるとしていた原子力規制庁はその後に判断を変えた。いままで大丈夫だったから今後も大丈夫だという正常性バイアスがここにはある。東京電力の福島第一原子力発電所の事故当時は日本では原子力発電所はやめるべきだ、という世論が、地球温暖化と二酸化炭素の排出削減などの大合唱によって修正されてきている。日本における原子力発電所の運営はロシアンルーレットである。これを一人の人がやっていることと同じであり、最後の最後には弾丸が発射されて死んでしまうしかない。毎日、撃鉄を引き、今日は大丈夫だと生き延びても明日か明後日のは弾が発射される。

[資料]

(みだし)
国土地理院 三角点

 三角点とは、日本の位置(緯度・経度)の基準を表す国家基準点。三角点は全国に約10万点あり、各種地図作成、地籍調査、河川・道路・都市計画など社会基盤の整備に欠かせない情報。(国土地理院)

(みだし)
国土地理院 公共基準点

公共基準点とは、地球上の位置を定めた点で、各種測量の基礎となる。地球上の水平位置や高さを求めるためには、近傍に一定の測量精度を有する基準となる点が必要になり、この点を基準点と呼ぶ。 国土交通省国土地理院が設置・管理する基準点には、電子基準点、三角点や水準点などがある。

計量計測データバンク ニュースの窓-154-国土地理院 令和6年能登半島地震 現地緊急測量(2024年1月20日~21日)の結果

計量計測データバンク ニュースの窓-155-プレートテクトニクスとそのメカニズム

計量計測データバンク ニュースの窓-154-国土地理院 令和6年能登半島地震 現地緊急測量(2024年1月20日~21日)の結果

最終更新日:2024年1月31日 令和6年能登半島地震 現地緊急測量の結果 | 国土地理院 (gsi.go.jp)

2024.01.31 能登半島地震 地下で何が起きたのか? | 神戸大学ニュースサイト (kobe-u.ac.jp)


2023-05-11 14:30 水の上昇動向、観測困難=能登の群発地震要因―東工大教授「今後も備えを」 | 時事通信ニュース (jiji.com)

火災や津波、海底露出も 国土地理院、航空写真公開 (共同通信) - Yahoo!ニュース


プレートテクトニクス - Wikipedia

深畑幸俊「日本列島とプレートテクトニクス」京都大学防災研究所公開講座 20230909 (youtube.com)
「地震・火山災害に備える~近畿圏の場合も含めて~」京都大学防災研究所 2023年9月9日・京都大学 宇治キャンパス きはだホール。├

東京大学公開講義(1) プレートテクトニクスと日本列島付近の地震 瀬野徹三 No.14-1 (u-tokyo.ac.jp)

日本列島の成り立ち - KG-NET 関西地盤情報ネットワークデータベース (kg-net2005.jp)
プレートが移動するという考え方を、「プレートテクトニクス」といいます。

(39) 令和6年能登半島地震 現地緊急測量(2024.01.20-21) - YouTube
令和6年能登半島地震により大きな地殻変動が観測されている地域において、より正確な変動量を把握するため、現地緊急測量(1月20日~1月21日)を実施しました。その結果、能登半島北西部の三等三角点「五十洲」において、4.10mの隆起、1.48mの西向きの変動が確認されました。

石川県珠洲市若山町に出現した上下変位を伴う線状の地表変状(速報)吉田一希(地理情報解析研究室(国土地理院地理地殻活動研究センター 2024 年 1 月 30 日) 000254854.pdf (gsi.go.jp)
1. はじめに
石川県珠洲市若山町の若山川沿いにおいて、「令和6年能登半島地震」に伴って出現した
上下変位を伴う線状の地表変状(最大上下変位約 2.2 m(※1))とその間に分布する隆起地帯(全長約 4 km、幅 100-200 m)を発見した。以下に計測結果の速報を報告する。
2. 調査地域・方法
調査地域は石川県珠洲市若山町(上黒丸、宗末、中、大坊、延武地区)の東西約 5.5 km、南北約 2.5 km の範囲である。
1 月 2 日に国土地理院が撮影した空中写真の裸眼実体視により、線状の地表変状を判読した。また、地震前後の数値表層モデル(DSM)から表層高差(※1)を算出した。さらに、地震後の DSM から線状の地表変状によって生じた崖の高さ(上下変位)を求めた。地震前後のデータは下記のとおりである。
[地震前]石川県計測(2022 年 8-10 月)の「令和 4 年度 森林情報整備業務」で取得し
た 3 次元点群データから作成した 0.5 m メッシュの数値表層モデル(DSM)。
[地震後]国土地理院撮影の空中写真「珠洲地区(1/2 撮影)」から SfM-MVS 解析によ
り作成した 0.5 m メッシュの数値表層モデル(DSM)。
※1 地震後データには積雪や計測誤差等を含む。
3. 結果・考察
若山川沿いの谷底平野において、数条が並行する線状の地表変状(図 1)と、その間に分
布する隆起地帯(全長約 4 km(西部分の長さ 3.5 km、東部分の長さ 0.5 km)、幅 100-200
m)(図 2)が認められた。線状の地表変状の走向は大局的には ENE-WSW を示すが、中央部(若山町宗末地区~中地区)の区間では主に ESE-WNW を示す。いずれも上下変位が卓越し、水平変位は明瞭には確認できなかった。
若山町中地区では、最大上下変位約 2.2 m(南上がり)(※1)を示す崖が出現した(図 3、
図 4、図 5)。崖は水田・道路・河川等を上下変位させ、河川の下流側に崖が生じた北側では河川水が滞留し川幅が広がっている(図 5)。隆起地帯上を南北に走る道路では、アスファルトのめくれ上がりが 2 か所認められたことから、隆起地帯では南北方向の圧縮が生じたと推測される(図 6)。
調査地域の東端(若山町延武地区)では、3 条の線状の地表変状(最大上下変位 0.4 m)
が認められた(図 7)。調査地域の西端(若山町上黒丸地区)では、帯状の隆起地帯が認められたが、線状の地表変状は不明瞭であった。
これらの隆起地帯は、SAR のピクセルオフセット解析の結果とも調和的である(図 8)。
若山川沿いには背斜軸(岡田背斜)が分布する(吉川ほか, 2002)(図 8)。2007 年中越沖
地震では、活褶曲を成長させる地下の断層面が地震にトリガーされて活動した事例が報告
されており(Nishimura et al., 2008)、今回の地表変状も同様の成因によって生じた可能性
がある。一方、若山町中地区の西部に分布する ESE-WNW 走向の線状の地表変状では、隆起地帯の内部で地溝状の地表変状が生じている(図 4 の中央部)。岡田背斜の北方・南方にはそれぞれ向斜軸(若山川向斜、熊谷向斜;吉川ほか, 2002)が近くにあることを含め、複雑な地質構造との関係を検証する必要がある。
[引用文献]
Nishimura, T., Tobita, M., Yarai, H., Amagai, T., Fujiwara, M., Une, H., Koarai, M. (2008)
Episodic growth of fault-related fold in northern Japan observed by SAR interferometry.
Geophysical Research Letters, 35, https://doi.org/10.1029/2008GL034337.
吉川敏之・鹿野和彦・柳沢幸夫・駒澤正夫・上嶋正人・木川栄一(2002)珠洲岬,能登飯
田及び宝立山地域の地質.地域地質研究報告 5 万分の 1 地質図幅, 金沢(10)第 3・4,6,7 号NJ-53-4-l1・15,12,16.
[参考]
デジタル裸眼実体視サイト URL
1若山町上黒丸地区周辺
https://gisstar.gsi.go.jp/R6Noto_jittaishi/suzu_063-064.htm
2若山町中地区周辺
https://gisstar.gsi.go.jp/R6Noto_jittaishi/suzu_122-123.htm
3若山町経念地区周辺
https://gisstar.gsi.go.jp/R6Noto_jittaishi/suzu_043-044.htm
[問合せ先]
国土地理院 地理地殻活動研究センター地理情報解析研究室長 笹川啓
029-864-5942 [email protected]

産総研:日本列島の地殻変動の謎を解明(発表・掲載日:2017/06/29) (aist.go.jp)
-フィリピン海プレートの動きが東西短縮を引き起こす-
第四紀の東西短縮地殻変動の原因は、太平洋プレートではなくフィリピン海プレートの運動。山地の隆起や内陸地震など、現在進行中の地殻変動とプレート運動の枠組みが判明。過去だけでなく日本列島の地質学的将来像の推定が可能に。概要。国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)地質情報研究部門【研究部門長 田中 裕一郎】 高橋 雅紀 研究主幹は、アナログ模型を併用した思考実験に基づいて、第四紀の日本列島の東西短縮地殻変動の原因が、これまで考えられていた太平洋プレートの運動ではなくフィリピン海プレートの運動であることを明らかにした。山が隆起し陸地の拡大が続く日本列島の地殻変動は、本州で頻発する内陸地震の原因でもある。今回の研究により、日本列島を取り巻くプレートの運動と地殻変動が論理的に結びついたことで、過去のプレート運動と過去の地殻変動の因果関係だけでなく、将来の地殻変動についても、地質学的なシナリオを描くことが可能となる。

ガル - Wikipedia
ガル(英: gal、記号:Gal)は、CGS単位系における加速度の単位である。gal という名称はガリレオ・ガリレイ (Galileo Galilei)にちなむ。
国際単位系においては認められていない非SI単位である。ただし、日本の計量法は地震動などの計量に限定してその使用を認めている。
1 Gal = 0.01 m/s2 = 1 cm/s2 である。
定義
国際単位系 (SI)における加速度のSI単位はメートル毎秒毎秒 (m/s2)である。一方、ガル (Gal)は計量法などにおいて「メートル毎秒毎秒の百分の一」と定義されている。すなわち、ガルはCGS単位の一つであり、非SI単位である。
単位記号
ガルの単位記号は、立体の「Gal」である。ガリレオ・ガリレイ (Galileo Galilei)の人名にちなむので、最初の文字は大文字である。ガルの1/1000であるミリガルの単位記号は、「mGal」である。
使用
加速度のSI単位は、前述のようにメートル毎秒毎秒 (m/s2)であるが、地震に関連する分野においては、CGS単位系に属するガルがよく用いられる。このため、計量法はその第5条第2項において特殊の計量に用いる計量単位として、「重力加速度又は地震に係る振動加速度の計量」に限定してガル(Gal)および1000分の1のミリガル(mGal)の使用を認めており、キロガルやマイクロガルの使用は計量法上いかなる場合にも認められない。
地球表面における重力加速度、すなわち標準重力は、正確に 9.80665 m/s2 = 980.665 Galである。(このことは、たとえば981ガルを越える加速度の振動がもしも鉛直方向に加わったならば、床にしっかり固定されていない物体はその質量が如何に大きくても床から離れて宙に浮いてしまうことを意味する。)
これまでの地震による世界最大の加速度は、岩手・宮城内陸地震(2008年6月14日)の際に岩手県一関市厳美町祭畤(まつるべ)で観測した4022ガルである。この記録は「地震時に記録された最大加速度」(largest peak ground acceleration measured in an earthquake )としてギネス世界記録に認定された。
ちなみに、1995年の阪神・淡路大震災では891ガルを、2011年の東日本大震災で震度7の宮城県栗原市では2,934ガルを、2016年の熊本地震で震度7を観測した熊本県益城町では1,580ガルを、2024年の能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町では2,828ガルを、それぞれ記録した。

震度とマグニチュード 地震の大きさを表す単位 日本計量新報記事 2011年3月27日2863号3面 (keiryou-keisoku.co.jp)
震度とマグニチュード 地震の大きさを表す単位
今回の東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9.0、最大震度7。世界で4番目の大きさであり、国内でも観測史上最大規模とされる。震度とマグニチュードは、地震発生時に気象庁により発表される。どちらも地震の大きさを表す単位であるが、その内容はどう違うのだろうか。
震度とマグニチュードの違い
震度はある場所(地点)での地震による揺れの強さを、マグニチュード(M)は地震そのもののエネルギーの大きさを表す。電球に例えると、電球の明るさをあらわす値がマグニチュード、電球から離れたある場所の明るさが震度に相当する。マグニチュードの小さい地震でも震源からの距離が近ければ揺れは大きくなり、震度が大きくなる。逆に、マグニチュードの大きな地震でも震源からの距離が遠いと揺れは小さく、震度も小さくなる。電球が明るくても、遠くなると暗くなる関係と同じであるといえる。
マグニチュードとエネルギー
マグニチュードと地震波の形で放出されるエネルギーとの間には、マグニチュードの値が1大きくなるとエネルギーは約32倍になるという関係がある。2増えると、エネルギーは32倍の32倍、すなわち約1000倍になる。マグニチュード9.0の地震ひとつで、マグニチュード8.0の地震32個分、マグニチュード7.0の地震1000個分のエネルギーに相当する。
モーメントマグニチュードと気象庁マグニチュード
マグニチュードは、1930年、米国の地震学者チャールズ・リヒターにより考案された。その後、より地震の姿を正確に把握するという目的のもと、さまざまなマグニチュードの計算方法が生まれた。よく聞かれる「モーメントマグニチュード(Mw)」は、1977年に日本の地震学者、金森博雄らが考案。地震は地下の岩盤がずれて起こるものであるが、モーメントマグニチュードとは、この岩盤のずれの規模(ずれ動いた部分の面積×ずれた量×岩石の硬さ)をもとにして計算する。普通のマグニチュードは、地震計で観測される波の震動から計算されるが、規模が大きな地震になると岩盤のずれの規模を正確に表せない。その点、モーメントマグニチュードは物理的な意味が明確で、大きな地震に対しても有効だという利点がある。ただし、高性能の地震計のデータを使った複雑な計算が必要なため、地震発生直後に行う地震の規模の推定には使えないこと、小規模の地震では精度よく計算するのが困難なことなどが欠点として挙げられる。日本の気象庁では、このモーメントマグニチュードと似ていながら、若干異なる「気象庁マグニチュード」を使用している。気象庁では、1970年代後半から、地震時の地面の動き(変位)の最大値から計算される「変位マグニチュード」と、地面の動く速度から求められる「速度マグニチュード」を組み合わせて計算している。その後、小規模な地震の場合にモーメントマグニチュードとの値のずれが大きくなるることがわかったため、計算方法を2003年に改定している。
マグニチュードや震度は世界共通か
外国の地震のマグニチュードが、同じ地震なのに新聞によって異なる値になっている場合がある。これは、マグニチュードの定義は大まかにいえば世界共通であるが、使っている地震計や地震観測網が異なるためである。一方、震度は、その国の建物の壊れやすさなどによって異なるため、国によって違う。
日本では10階級で表し(表)、震度計で観測する。外国では主に、MM震度階(モディファイド・メルカリ・スケール〔改正メルカリ震度階〕)という12階級の表現が使用されている。これは体感や被害による震度観測である。
【参考文献】▽気象庁ホームページ

地震予測と品質工学 矢野宏 | 「計量計測データバンク」ニュース - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)

2024/01/08 版 2024年能登半島地震について 現地調査及び数値計算結果にもとづくまとめ PowerPoint プレゼンテーション (kyoto-u.ac.jp)


(計量計測データバンク 編集部)
2024/01/31 能登地震で海底総延長85kmが隆起して陸地に!国土地理院解析|記事一覧|企業・自治体向け防災情報メディア「防災ニッポン+」読売新聞 (yomiuri.co.jp)
国土地理院は、地球観測衛星「だいち2号」が地表に電波を照射して計測したデータを地震の前後で比較。能登半島の広い範囲で地盤が隆起し、半島北側の沿岸部では海底が露出していた。地図上で計測すると、約85㎞になる。輪島市皆月湾周辺では、地表が約4m隆起し、地震前に比べて陸地部分が約200m分拡大。珠洲市長橋町の漁港では海底が露出し、設置された津波観測計が観測できない状態になった。国土地理院は、能登半島地震による地殻変動について全地球測位システム(GPS)などで解析したところ、石川県輪島市が南西に最大約2m移動し、約1.3m隆起したとする結果も明らかにした。地殻変動が大規模なことから、同院は今後、能登半島で、道路測量や地図作成の基礎となる基準点を再測量する方針だ。同院は2024年1月2日、同市の別地点で西方向に最大約1.2mの変動が観測されたと発表した。その後、7日までに新たに得られたデータを再計算した結果、同市の別地点の変動が最大だったことが判明した。そのほか、同県珠洲(すず)市では南西へ約90㎝移動し、約90㎝隆起。穴水町では北西へ約90cm移動し、約3㎝隆起していた。

2023/02/24 津波予測にも!浅い海域の海底地形図を航空機レーザー観測で製作|記事一覧|企業・自治体向け防災情報メディア「防災ニッポン+」読売新聞 (yomiuri.co.jp)

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