日本計量新報」今週の話題と重要ニュース(速報版) 2017年10月5日号
|
空間が歪んだことによる長さの変化を光波干渉計でとらえる日本計量新報 2016年3月13日 (3095号)L字型をした4kmの同一の長さの装置をつくってその長さ比較をする。ここに20桁ほど0を連ねた差が生じると、レーザーを用いた光波干渉装置にモアレ縞が発生するのでそれを感じ取る。 空間の歪みの現象をこの装置が感じ取ったその状態は重力波の検証である。そのように言われていて専門の学者・研究者は米国の重力波観測チームによる観測装置「LIGO(ライゴ)」にその現象が出現したと認めている。これが重力波の直接の観測第1号であり2016年2月11日に発表された。 質量の作用によって空間が歪むことはいくつかの形で確かめられていた。この歪みを直接に観測するために光波干渉計が設置されていて、この装置に重力波が到達して空間の歪みが観測された。日本の観測装置は近く稼働する。欧州ではいくつかの観測装置が動いている。米国のその装置は観測の精度としての感度を上げる改良をして、その装置が空間の歪みによって生じたL字型の腕の長さの差を検知した。 少し乱暴な表現であるが、宇宙の誕生は人の誕生でもある。生命をもち知能をもつ人の誕生は宇宙の誕生なくしてあり得ない。宇宙の誕生は無から有への転換(相転移)であり、時間と空間の発生でもある。その宇宙の観測のためにガリレオ・ガリレイは望遠鏡を用いた。見えたのは恒星と地球の惑星であるが、この惑星がよく見えるようになった。望遠鏡は倍率を上げた。そのあとになって赤外線やX線やマイクロ波による観測がおこなわれるようになった。国立天文台のすばる望遠鏡は可視光から赤外線領域の観測をするしくみだ。 赤外線で見た宇宙は、星々が生まれてくる高温の塵(ちり)の塊(かたまり)でいっぱいだった。X線で見た宇宙は星々の死骸だらけであった。マイクロ波で見た宇宙はビッグバンの高熱の名残に満たされていた。観測に重力波を用いることによって天文学は新たな地平をきりひらく。 星々が生まれてくる高温の塵の塊を最初の赤外線望遠鏡は観測し、そののち分光撮像装置の改良によって別のようすを見るようになった。X線望遠鏡に映ったのは星々の死骸だらけの宇宙であった。マイクロ波で見た宇宙はビッグバンの高熱の名残に満たされていた。「ゆがんだ空間がぐちゃぐちゃにかき混ぜられて刻々と変化していく」のがブラックホールであり、このような現象を米国、欧州、日本の重力波天体望遠鏡による共同観測によって見ることができるかもしれない。重力波による観測によってこれまでは捉えることができなかった宇宙の姿が出現する。 ニュートリノに反応し、ニュートリノに質量があるために振動することをとらえたのが光電面の直径が約50cmの光センサーの光電子増倍管である。これがスーパーカミオカンデには1万1129本取り付けられている。レーザー利用の巨大にして精密なマイケルソン光波干渉計によって重力波による空間の歪みとしての長さの伸び縮みが観測された。 計測機器と計測方法、そして計測技術と科学や学術とのかかわりをニュートリノ観測、ニュートリノ震動の観測、重力波の観測にみることができる。 |
日本計量新報週報デジタル版フ目次
1、私の履歴書 鍋島綾雄(14)未熟な経営者としての成功と失敗
1、計量計測データバンク フェイスブックニュース(ニュースを週ごとに10本ほど掲載しております)
1、計量計測データバンク ツイートニュース(ニュースを週ごとに10本ほど掲載しております)
1、今週の日本計量新報全紙面 webサイトに掲載されている新聞のデジタル版です。全紙面を更新 (6月25日号(3154)を掲載)
新聞購読者は暗証番号を入力して閲覧することができます。
1、「日本計量新報」今週の話題と重要ニュース(速報版)は毎週定期で更新しております。
上をクリックしてお気に入りに登録してすると便利です。またご希望であれば毎週発行にあわせて
電子メールで送付しますので、申し付け下さい。電子メールアドレスとお名前をお願いします。
日本計量新報編集部 [email protected]
日本計量新報企画業務部 [email protected]
どちら宛てでも構いません。日本計量新報社 TEL:03-3295-7871、FAX:03-3295-7874
http://www.keiryou-keisoku.co.jp/
「日本計量新報」今週の話題と重要ニュース(速報版)
私の履歴書 「陸軍航空士官学校で終戦を迎えハカリ屋になった男の記録」 鍋島綾雄(15) トラックスケールを東北地区に拡販 目次 |
目次 私の履歴書 「陸軍航空士官学校で終戦を迎えハカリ屋になった男の記録」(16) 外販との出会い 目次 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
私の履歴書 鍋島 綾雄(16) 外販との出会い 日東イシダ(株)会長、(社)日本計量振興協会顧問、前(社)宮城県計量協会会長 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
目次
15 トラックスケールを東北地区に拡販 2744号私は不思議にこの「タダノ」とも縁がある。「タダノ」は戦前小さな鉄工所で空襲で戦災に遭い私の実家の近くにある、親類の家の別棟に疎開してきていた。 戦後は高松の焼け跡に小さな鉄工所を再開したが、クレーンを手がけて急速に大きくなった。トラックスケールは事業所に一台あれば間に合うが、クレーンはトラック一台一台に取り付ける。トラックスケールとは台数が2桁違う。 従って「タダノ」の方が鎌長よりはるかに大きくなったが、同じ高松から似たようで違う業界の二社が伸びたことに私は感慨を覚える。 トラックスケールは製鉄所を初め大規模の工場から導入が始まったが、そこは大和・クボタが先行していた。後発メーカーである鎌長は大工場への売込みでは先行2社に適わないので、全国に多数あるスクラップ業者に的を絞って営業を展開することにした。 この営業政策は功を奏して鎌長のトラックスケールの販売は急激に伸び、大和・クボタに迫るようになった。 昭和36年古巣の鎌長と代理店契約を結んで鎌長のトラックスケールを東北地区に拡販することにした。 私は東北のスクラップ屋さんと魚市場を鎌長の大藤さんと二人で隈なく歩いた。中古の車を私が運転して1週間くらいの行程で東北を廻る。高速道路はまだ無く、国道も舗装されていないでこぼこ道の町々を運転してスクラップ屋を一軒一軒訪ねて歩いた。飛び込み訪問をして初対面で社長から注文をもらった時の喜びは未だに忘れられない。 一出張で25トンのトラックスケールが2~3台売れたこともあった。そのお陰で東北のスクラップ業界では知名度が上がり、スクラップ業界では鎌長は日本一のハカリ屋だと信じられるようになった。 代理店になってから46年の間にトラックスケールはメカ式から電子式に変わったが東北地区に1000台超える実績を誇り、新品の販売のみでなく、納入したトラックスケールの点検整備が日東の業績を支える大きな柱となっている。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(つづく) |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
私の履歴書 鍋島 綾雄 日本計量新報2724号(2008年5月18日)より連載
|
6月25日、日曜日の高山を訪れる。古い町並みと朝市を見物する。旅行家 甲斐鐵太郎
黒須茂のエッセー 「人間万事塞翁が馬」天下り校長の悪行を地元紙で
あばくことで書くことに快感をもつようになった(くろす・しげる(元国立高等専門学校教授)